2024年7月16日放送の、「耳の穴かっぽじって聞け!」。
芸歴1年目でTHE W決勝に進出した女性芸人コンビ
「はるかぜに告ぐ」のツッコミ「とんず」が登場し、
彼女の心の中の「本音」を伝えました。
まわりから聞こえてくる、うんざりするような言葉。
『華があるから』
『女芸人やから』
『あいつらは吉本から推されてる』
彼女が抱える苦悩。
「ネタを書くコツや脳みそを作る前に、ネタを書く暇を無くしてしまった」
エリート芸人と言われる彼女ならではの苦悩を、
「1年目で世に出たことの代償」
として、手紙に綴っています。
ここでは、その手紙を書き起こし、
また、MCである「とろサーモン・久保田」「ウエストランド・井口」
のコメントを紹介しています。
本編
「1年目って、ブランドなんやな、って思いましたね。」
そう語る、とんず。
芸歴1年目で「THE W」の決勝に進出して以来、
信じられないくらい、仕事の量が増えたと言う。
芸人なら、誰もがうらやむ様な出世街道だが、
そんな彼女自身は、全く逆の感情を抱いていた。
「能力がない状態で、仕事だけずっと続いていく」
下積みが少ないことで、
「楽」と思われているかもしれないが、
スキルアップのキッカケを失ったまま、進んで行かなくてはいけない。
「世に出るのが早いというのが、良いという訳ではない。」
「とんず」について、久保田が語る
お世話になっている東京の作家と、
久保田との会話の中で…。
作家 「お前、『とんず』って知ってる?」
久保田「いや、知らないです。」
作家 「絶対、化ける。
もし仲良くなったら、
東京来いって言っといてくれ。」
まだネタさえ見た事の無かった久保田は
「?」が頭に浮かぶだけで、全くピンときていなかった。
その後、大阪に行った時のこと、
ある大阪の作家が、久保田に言った。
作家 「『とんず』っているんすよ。
めちゃくちゃ華ある。
東京行けっていってるんですよ。」
業界評判が、めちゃくちゃ高い。
画面に映った時の華。
暗そうに見えるが、喋った時に明るく、
周りの空気が良くなる。
毒の効いたコメントも出来る。
やはり、良い事ばかりに聞こえるが…、
文は人なり
「文章こそ本音がむき出しになる」
とんずの書いた手紙が、スタジオで読み上げられる。
1年目で世に出たことの代償
私の目標は、賞レース優勝だ。
なのに去年、M-1は2回戦で敗退してしまった。
「THE W」に全振りし、M-1でミスったところや
ウケなかったところを修正した。
正直、M-1で負けていなかったら、
決勝まで勝ち上がれていなかったと思う。
「華があるから」
「女芸人やから」
「あいつらは吉本から推されてる」
など、散々言われてきたので、
ネタで評価されたい一心で、頑張っていたから、
決勝まで持ち込めた事が嬉しかったし、
吉本大興行様が、1年目なんかを推すわけない事くらい、
冷静になったら分かるのに…
と思えるようになった。
悪態をつかれる事は減ってきたものの、
まだまだ世間的には、ネタ以外で評価されてる、
と言われる。
決勝まで行っても、ごちゃごちゃ言われて、
「お笑いってオモロすぎるやろ。
しんど。
天井無いんかい。」
と思った。
「THE W」決勝後、幾つかテレビに出させてもらい、
お笑いの収入だけで生活できるようになった。
そして正直、
テレビタレントとして生きていけるとも感じた。
テレビ的な需要が高いんだな、と思った。
今の日本において、
需要と供給が成り立ってない事は誰もしない。
その上で呼んでもらえるのは、リアルな需要の高さを感じた。
でも、タレントじゃなくて、お笑い芸人で生きたい
というプライドがある。
漫才師でありたい。
これは、芸歴の若さゆえの尖りとして、
自分でも受け止めている。
しかし、
「プライドを守るための犠牲は必要」
と思っている。
今はともかく、認知を上げる段階。
コメンテーター、
レポーター、
YouTube、
仕事を選ばず何でもやって、
ネタを見てもらえるようにしたい。
舞台の集客に繋がるなら、それも頑張れる。
これまでは、相方と顔を近づけて写真撮るとか、
「シャバいこと」
はしたくないと生きてきたが、
仕事をやっていく上で、周りの人達の事も考えるようになった。
私が誘った相方、
YouTubeのスタッフ達を、食わせていかないといけない。
我々にオファーしてくれたテレビ関係者の方に
後悔して欲しくない。
応援してくれるファンの方が、
安心して推せる存在になりたい。
収益の為、周りの気持ちの為に、
自分的な「シャバいこと」もやむを得ないのでは
と思い始めているし、
自分のプライドを貫くというのも、
周りを困らせないぐらい、売れてからの話なのかもしれない。
そもそも自分は、ポンコツとして生きてきた。
出来ないのが当たり前みたいな顔をして、
ハードルを下げて、やりくりしてきた。
ポンコツの延長線上で芸人になったのに、
早く結果を残した故、
エリートみたいになってしまった。
くそ~!
お笑いむじぃ~!
と文句を言いながら、お酒を飲むようなタイプなのに、
お酒を飲む暇さえ無いくらい、仕事をしている。
いつか落ちるかもしれない、
という心的疲労に、
根のポンコツが耐えられるかどうか。
自分がいつか、放り投げて辞めてしまうんじゃないかと、
不安で仕方ない。
そうならないように、
今は自分を楽しませるの事で、精一杯。
1年目から、「賞レース優勝」という目標に向かって、
「認知」を広げる為に、色んな仕事を頑張ってきた。
その代償として、お金や周りに気を使って、
仕事を選ばず、片っ端からしてしまっている。
ネタを書くコツや、脳みそを作る前に、
ネタを書く暇を無くしてしまった。
さらにこれからは、エリートだという目で
見られるようにもなった。
勿論、仕事はありがたいし、
楽しいなと思う事もあるけど、
今の行動は、賞レース優勝から
離れていってしまっているのではないか?
それが原因で、
このまま続けることが出来なくなるんじゃないか?
と不安になる。
M-1の自分達のネタ動画へのコメントで、
「これがまだ15年も出るって、バケモノすぎる」
と書かれているのを見て、
「15年も出れるじゃなく、
あと15年もせなあかんのか」
と思った。
15年後は40歳。
戦い続けている先輩方に、尊敬と恐怖を感じた。
そして、賞レース優勝と、もう一つの目標。
「結婚・出産」も、いつ出来るんだろう
と焦っている。
沢山の期待に対して、沢山の不安。
夢がリアルになればなるほど、
先の人生が「見えない」という事が、
見えてきている今、
経験値の無い自分の、何を信じればいいか分からない。
井口の答 結果出してない方がしんどいから
とんずの赤裸々な悩みを聞いた二人。
それについて、何か助言めいた事を言うべき。
…なのだが、
残念だが、このエリート芸人ならではの悩みが、
久保田と井口には分からない。
あげく、井口はこう言い放つ。
「結果出してない方がしんどいから!
絶対に、そんなん言い出したらね。」
多くを背負い過ぎ。
もっと楽に考えればいいと、井口は言う。
「相方の分なんか、関係ねーだろ!
関係ねーだろ!一人一人なんだから!
YouTubeのスタッフなんか知るか!
勝手についてきて、やってるだけなんだから!」
背負う必要は、全くない。
キングコングについて
エリート芸人といえば、思い浮かぶのが「キングコング」。
同期である久保田に、キングコングのケースを聞いてみる。
井口 「キングコングさんって?」
久保田「ネタ。」
井口 「関西の賞レースで?」
久保田「総ナメ。
あんだけの速いスピードで
漫才やってる人いなかった。」
井口 「それで、『はねトび』とか始まって、」
久保田「なんやねん!
ってイラつく前にいなった、
もう前には。」
背中が見えな過ぎて、嫉妬すらできなかったという。
久保田「でも、意外とみんな知らんねんけど…、」
その世代で一番先に売れたのが、キングコング。
と思われているかもしれないが、
実は、キングコングよりも先に売れていた
「真のエリート芸人」がいた。
それが…、
久保田「(なかやま)きんに君。
きんに君、紳助さんの番組で
レギュラーもらってたからね。」
井口 「きんに君さんも同期なんすか?
凄い期だな。」
久保田「で、今一番目立ってるの、きんに君やろ。
きんに君世代やで。」
キングコング。
南海キャンディーズ・山里。
NON STYLE。
平成ノブシコブシ。
ダイアン。
その他、多くの人気芸人の頂点に君臨していたのが、
「なかやまきんに君」だった。
プライドを捨ててやってきた仕事とは?
とんずの抱える、お笑い芸人としてのプライド。
当然、芸人の先輩である久保田も、
プライドを捨てて生きていた事もある。
久保田「ありすぎて、思い出したくもない。」
急に暗い表情になる、久保田。
どんな仕事をしてきたのか?
久保田「六本木とかで、金持ちの奴がポケットから
札束50万くらい空中に巻いて、
『おい芸人やろ、
おもろい事した奴だけ取っていいから』
って言って、
何もネタやってないのに、先にバーッと取ったら、
『薄汚ねぇことすんな』」
頬を引っ叩かれた。
久保田「すみませんでした。」
井口 「何の会合なんすか。」
結局、二人の感情としては、
「一年目からお笑いだけで食えているのが羨ましい」
という事です。
執筆後記
とんずから、井口に聞きたい事があるようで…。
井口 「なんだろうな?
だって僕、会った事もないですよ。」
相方が、河本さんに近いタイプなんですが
井口 「そんなわけ無いだろ!
一緒にすんなよ、マジで。
(タクシードライバーに)
噛みついてないだろ!
全然違う!
めちゃくちゃ出来るよ、お前の相方は!」
私はいずれ、産休・育休を取りたいと思ってるので、
その時に、相方には絶対ピンの仕事をしてもらわないといけない。
それまでに、私が出来ることはないですか?
・・・。
井口 「こんなん別に考えなくていいでしょ。
『知るか!』って話ですから。」
久保田「今のはヤバイ、炎上するぞ。
産休知るか!って。」
井口 「産休じゃない!
産休はいいですけど、
『相方の事なんか知るか』って話じゃないですか。」
産休は取った方がいい。
井口 「相方は相方で、大人なんだからやるでしょ。」
最後に
他、はるかぜに告ぐの記事。興味がある方はご覧ください。
【はるかぜに告ぐ】のプロフィールで英語学習!
「はるかぜに告ぐ」の漫才で英語学習!全文テキスト
英語学習
次の日本語を英訳して下さい。
業界評判が、めちゃくちゃ高い。
The industry reputation is extremely high.
Industry 産業、業界
Reputation 評判、名声
コメント